その三  日山隧道(真室川〜鮭川)

 

 

真室川から西郡経由で鮭川方面に出る西郡林道中にあるが、現在は崩落が始まっており通行止めである。

この隧道が記入されている地図もまれにあるが、多くの場合無視されている。従って資料もほとんどない。

 

     

日山隧道真室川口




                

        日山隧道内部(真室川方面)                       日山隧道内部(鮭川方面) 

 

R344 真室川町上野付近から西に入る荒れた道をしばらく行くと看板が現れ、ガードレールで入り口を塞がれた隧道口が現れる。

坑口にトタンのガードを被せただけの何の飾り気もない印象である。内部はコンクリート巻きになっているが所々崩壊しておりその下から

      煉瓦が顔をのぞかせている。数度の補修、改修を経ているものと思われる。

 

            

                     壁の様子                                     崩壊の進む内壁

 

 この隧道が存在する西郡林道は、その名の通り林業振興の目的で昭和9年に建設されたもので、

日山隧道も林産物運搬路の一部ということになる。一般路の隧道とは異なり、扁額や竣工年表記

等は施されなかったようだ。なお、隧道名については正式なものではなく、日山を貫いていることから 便宜的に命名してある。

(林道名から 西郡隧道の可能性もある)

 また、林業目的での利用価値がなくなり、崩落も始まったということで管理当局もこの隧道の更なる補修

は予定しておらず、正式には廃されてはいないことになっているものの、事実上は車両の通り抜けも不可能で 廃道同然である。

 現役時には、まれに通行する住民もいたものの、通過時の驟雨のような地下水の落下を気味悪がっていたようだ。

現在、天井からの地下水落下は、天候にも依るのだろうがそれほどでもないように思われた。

住民がこの隧道の再生を願っている様子も全くなく、現道扱いのまま崩落の一途を辿ることになりそうである。




鮭川方面口は床面が水浸しであるが内部の通り抜けは徒歩に限りまだ可能である。

坑口は草木が覆い隠し,自然の一部となっている。

 

  鮭川方面(西郡側)口



 日山隧道(仮称)  昭和9年竣工

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