その他 廃鉄道集 奥羽本線瀧ノ澤隧道 (壱)
金堀隧道を過ぎると旧線跡は、一筋の農道と交差する。と言うよりは、芦沢側からこの地に向かうにはこの農道を通ってくるのである。
この道が旧線跡に刻まれたのは、当然の事ながら線路が撤去されたあとのことで、その竣工年月が陶板プレートで示されている。
旧線跡を横切る農道
農道から分岐して笹藪に入る細い道が見える。これが旧線跡を辿り、旧瀧ノ澤隧道に至る道である。
農道は現在の線路の下をくぐってゆく 右壁面には竣工年プレートがある
左:現 滝ノ沢トンネル 右:旧瀧ノ澤隧道
新旧金堀トンネルはほぼ同位置に並んでいたが、こちらは現トンネルに比べ、かなり奥まったところに旧隧道がある。
訪問時は4月下旬という事もあり、草木が繁茂する前であったため、容易に旧隧道に到達できたが、夏場はどうしても
藪をかき分けて通らざるを得ない状態になると思われる。
旧瀧ノ澤隧道 芦沢側坑口
廃棄された区間中最長のものがこれである。そのため坑内との気温差も大きく、坑口からは白い冷気が立ち上る様子もある。
出口の見えない褶曲状隧道ということもあって、周囲に陰鬱な雰囲気を醸し出している。明治の坑門はさすがに傷みを
見せているが、それが却って安易な進入を許さない、圧倒的な貫禄を示す要素となっている。
明治の空気を押し出してくる坑口
壁面に埋め込まれた表示板 路面には轍が見られる
待避坑跡
待避坑跡にいたコウモリ
待避坑跡を覗くと、小さなコウモリが1頭だけぶら下がっていた。ライトを当てたり、フラッシュを焚いても
一向に動じることなく平静を保っているのには感心した。
振り返った芦沢側坑口 先は漆黒の闇
坑口付近ではほとんど残っていなかったバラスト(敷き砂利)が内部に進むにつれて増え、若干歩きにくい。
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