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奥羽本線JR釜淵駅西側は、現在林業試験場となっているが、かつて真室川森林鉄道の基地であった。
今では鉄路はすべて撤去されているが、ルートの一部が林道となっており、そこから鉄道跡をたどることができる。
釜淵駅西側の林道の中で最も沢寄り(南側)の道をしばらく西に進むと、やがて左の林の中につづく築堤に気づく。
藪を越え、そこを進むとまもなく、真室川森林鉄道第1隧道(80m)の坑口が見えてくる。
わかりにくいので注意して築堤を探す 坑口は荒廃している
支保材が散乱していることもあり、以前鉄道の隧道であったというより鉱山の坑口のように見える。
坑口は素堀でありコンクリートの坑門は10m程奥まったところに現れる
かつて坑口を支えていた材料が朽ちて散らばる
坑口をのぞき込んでも内部は真の闇で、全く反対側の坑口の様子はうかがえない。
足元に散乱する角材を跨ぎながら内部に進むと、坑口よりは路面の状態は良くなり
多分に水分を含んだ土砂以外に通行を阻むものはない。おそらくこのコンクリ巻きの
部分は、坑口付近のような素堀状態を後年改修したものであろう。その甲斐あって、
内部の土砂崩落は最小限に収まっているようだった...。と思いつつ歩みを進めると、
コンクリ巻きの効果も長続きしない現状を見せつけられた。反対側の坑口の明かりが
見えないわけである。頭上の山が隧道内部になだれ込んでいる。すなわち落盤である。
内部より坑口を見る
内部にははっきりと轍が付いていた。坑口の様子からは車両通過の可能性はない。
40年程前の廃止時以前から付いていた轍が残っているのだろうか。
落盤により行き止まり
落盤は坑口より約70m程のところで起きており、反対側の坑口まであと僅かの場所と思われる。
坑口、内部の状態から見て入坑はかなり危険であり、おすすめできない。
一旦外に出て山の反対側に回る。三滝(さんだき)という集落で鉄道跡について尋ねるとその所在を教えてくれる。
隧道の出口に当たるところは山を深く入ったところであるが、内部から見たように崩落しており坑口は存在しない。
坑口は埋もれている
ここからは、比較的はっきりした軌道跡がたどれる。山裾に沿っている部分が大半であるが、沢を越えるところでは大小の橋が
見受けられる。木材部分は腐朽しており踏むと危険である。コンクリート部分はわりと良好な状態に見えるが、橋の高さを考え渡ることは避ける。
かなり高い橋もある 落ちたらただでは済まない
朽ちた木材の部分は踏むと折れる
小又川を跨ぐ大きな橋は危険防止のため、落とされたという。
小又川橋梁跡 眼下に民家が見える
橋台は残っており、反対側には鉄道跡もまだ残っている。この先更に高坂ダムまでの間に120m、180mの2本の隧道が残っているが、
荒廃の進む全長28kmに及ぶ軌道跡であり、その上熊の出没区域であることから気軽な装備では踏破は望めない。
案内図は町の資料館にあり、計3本の隧道が記されている。