4.小滝沢橋(宮城県仙台市太白区秋保)

 

 

秋保温泉郷と秋保大滝の間の路傍に旧道の橋が保存されている。

当初は現道から外され、たまたま残った形だったがその後歴史的価値が

見直されたのか、案内板までつけられて鑑賞できるようになっている。

 

一般の人にわかりやすく「めがね橋」と紹介されていた

 

 

こちらは正式名称で紹介

 

現道よりだいぶ低くなっている

 

 

現道は曲線を描く旧橋付近の線形をショートカットする形で結ばれており、旧道より3m程度高くなっている。

旧橋付近の道が現道と同じ直線を描いていたのなら残存は許されず、撤去の憂き目を見ていたのかもしれない。

 

 

  

二連アーチ橋

 

宮城県には元々石造のアーチ橋は多くない。一方山形県にはいくつもの石造アーチ橋が現存するが

いずれも明治時代のものであり、昭和のものはコンクリート造りとなっている。この橋の特筆すべき点は

昭和の石造橋ということである。付近の石ヶ森から切り出された凝灰岩を用いて馬に曳かせて運搬したが

あまりの重さに数頭が倒れてしまったという話も、伝記というより今だ生き証人がいるということが

明治建造の橋とは異なっている。建設時を存命の人が見ていたのである。

 

 

本来藪に埋もれるところであるが整備されている

 

 

 

  

両脇の柵は保存整備後に取り付けられたものである

 

 

  

東側親柱二柱

 

 

  

現代の基準では低すぎる高欄

 

人命がそれほど重視されていなかったことによるものか、あるいは危険は自己責任で

回避せよという思想によるものか、昭和前期までの橋は「転落すれば死亡」ということが

明らかなほど高い橋であっても高欄は低く施される例が多く、現代の眼で見れば甚だ危険である。

 

 

 

  

西側二柱

 

竣工年の銘標は残存していないが竣工年は昭和十四年。

 

 

 

橋上は遊歩道の状態であるが通常は解放されていない。以前は出入り自由であったが

近年、整備されてからは旧橋に降りる通路に扉が付けられ施錠されるに至った。

 

 

  

旧橋から現橋を望む

 

 

 

  

石組みに揺るぎはない

 

川幅から単アーチでは架け切れ得ないと判断されたのであろう、二連となったアーチのため

中央に橋脚が存在し、芋生川の河床に足をおろす形になっている。

この橋の建造に際して関係者に対する説明のため、馬場小学校の校庭に

現物大の橋の作図がなされたとのことである。説得力があったのであろう。

 

 

小滝沢橋  橋長20.8m  幅員4.5m  昭和14年竣工

 

 

 

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