大鳥川を堰き止めてできた荒沢ダムのほとりには3本の隧道がある。
ダムに水没した集落が最終地ではなく、その先にも大鳥、松ヶ崎などの集落があるため、重要なアクセス路となっている。
現在は、新潟県に抜けるスーパー林道もあり、改良が進められている様子もある。
隧道の入り口にはダム管理所の看板がある 発電目的で建設された荒沢ダム
荒沢隧道 落合側坑口
庚申塔はじめ意味ありげな石碑が坑口横に並ぶ
建設当初は素掘りで支保杭に支えられた状態だったという。
坑口付近で雪崩が発生することも多く、通行する人は冬季は徒歩で
暗い坑内を通過し、堆積した雪塊を乗り越えて大鳥と落合の間を行き来していたようだ。
幅員が不足の上 隧道が長いため待避所が三ヶ所もある
内部の様子 出口が遠い
坑口付近の一見おとなしい様子も入って間もなく一変する。
これでもかとばかりに突き出す岩塊
待避所の壁は綺麗に仕上げてある
地下水の浸水は比較的多く、常に雨中のような路面である。
洞窟さながらの壁面の様相
誰かが積み石をした
信仰洞穴のように内部の凹部に積み石がしてある。何の意味があるのか、何年前のものなのか。
徒歩通行時代の暗闇の中で、これをやった人がいたのだろうか。
大鳥側坑口
こちらにはスノーシェードがある
前述したように、坑口付近の雪崩に悩まされていた大鳥側には、対策として
スノーシェードが施されていた。現在は雪による封鎖もないようだ。
荒沢隧道 昭和二十九年竣工 682m