朝日スーパー林道隧道群
山形県の朝日村と新潟県の同名、朝日村をつなぐ長距離林道。
山形県側には林道に入る前に荒沢隧道群があり、林道に入ったあとには新潟県側にも隧道がいくつか点在している。
金壷隧道
現在、奥三面ダムに沈んでしまった三面地区が秘境の集落となっていた頃、住民の便宜と木材の切り出しのために
掘られた素掘り隧道。戦前に掘られたと伝えられており、作業には多くの住民の手が入っているという。
集落の生命線ともいえるものであるが、暗く狭い不気味な隧道として外部の人には怖がられていた。
隧道群の主役といえる存在ではあったが、奥三面ダムの完成に伴い、ダム管理用通路として改造され、一般の通行は禁止されてしまった。
三面集落は今は奥三面ダムの底
朝日スーパー林道から分岐し集落への重要通路となっていた
坑口はコンクリート板で延長されていた
現在は発電所管理下で入坑禁止
三面集落は この水の底
金壷隧道の代わりに舟曳トンネルが蕨峠への入り口となる
かつて金壷隧道を掘った人たちでさえ、今は内部を伺い知ることはできない。
猿田隧道
地図上に明確な命名がない上、両坑口の扁額にも何故か文字が刻まれていないため、仮の名であるが、
隧道前の橋の名や地名から猿田隧道とする。
緑の中に現れる東側坑口
扁額に文字の痕跡は無い
内部は動物の胎内のような様相である
コンクリート巻きの坑門と内部の素掘り吹きつけ部分の境目
しみ出した石灰質が鍾乳石化する
明るい西側坑口
隧道名くらいは扁額に記載してほしいものだ
鷲ヶ巣隧道
この区間最長の隧道である。立派な扁額も掲げられ、竣工当時の朝日村長の文字ということになっている。
坑内照明も行き届いているが、その分独自の味わいが薄い。
鷲ヶ巣隧道北坑口
扁額と内部の様子
南側坑口と扁額
坑口付近で猿の声が聞こえる
南側坑口を出るとすぐ名所の表示がある
見返りの滝遠景
隧道の竣工期は不明であるが昭和30年前後ではないかと推定される。
(2002.7調査)