3.東落合橋/西落合橋(宮城県大崎市鳴子)
川の合流地点は三つ又になるため、わざわざそこに橋を架ける例は少ない。
少し上流に架けて1本で済ますか、2本に分けて交通を確保するのが普通である。
けれどもここにはわざわざそうしなかった古橋がある。
宮城県柴田郡川崎町の北川(笹谷川)と小屋の沢の合流点に架かる橋は三つ又橋。
山形側からの分岐点
西落合橋橋上
親柱は健在
竣功年は「昭和廿(にじゅう)六年」と表記されており、意外に古い。高欄が
おそらく更新されていることから昭和20年代の橋には見えないのであろう。
後補と思われる高欄
橋の下の渓流
中央の橋台
コンクリートの橋台は最も当時の姿を残していると思われ、当時の高欄もこの部分と同じ意匠であったと推定される。
南側からの接続部分は橋下に水を通しておらず、厳密には橋ではないかも知れない。
しかし、高欄には破損しているものの銘標の痕跡があり、銅板が付いていたものと思われた。
他の銘標の保存状態は非常に良好であるが、このひとつだけは失われている。
下に水を通さない構造体となっている
南からの接続部と銘標
南から東西落合橋に接続する橋?の名は不明であるが、東西橋と同じく竣功年の銘標が
設えられていたところを見ると何らかの命名がされ、橋扱いされていたのであろう。
そうなると三つ又に分岐した橋というよりも三橋が一点で接続されていたと見るべきか。
三橋 接続部
東落合橋 各部
北蔵王登山案内とクマ警告の表示
ここから5kmほど真南に青根温泉があるが徒歩で踏破する人もいるのであろう。
宮城側からの旧道分岐部
現国道からはだいぶ低くなっている :左が旧道
現在の新落合橋が昭和55年竣功であるから、それまでは三つ又橋が活躍していたわけだが
山形側、仙台側と同等に小屋の沢沿いの道を扱っている造りは新笹谷街道には必要なかった。
新橋は小屋の沢への道を無視する形で架けられ、その代わりに旧橋が残された。
釣りのポイントとしても愛好されている
橋の近くの石碑 左:山神碑 右:馬頭観音碑
橋の付近には古い石碑が並んでおり、小屋の沢沿いの道が古来の登山道で
あったことが窺える。碑ができた頃に、ここに橋はあったのだろうか。
月山ダムの工事道として造られた、あさひ月山湖大橋と弘法物見橋がT字に接続している
例があるが、主要道を三叉の形にすることは現在の交通事情の中では今後ほぼ無いであろう。
東落合橋/西落合橋 昭和26年竣功
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