70.隔間場橋

 

 

隔間場と書いて(かくまば)。山形市の本沢地区にある地名である。

当て字のようにも思え、アイヌ語に起源するものかと思ったこともある。

 

 

隔間場橋は現道から外れており、無くてはならない存在というわけではなくなっている。

久保手から国道348号に接続する道の旧道となっており、時折交差点の信号待ちを嫌った車が時折通過する。

塞がれているわけでも手入れされているわけでもない中途半端な存在としてその姿を残している。

 

 

   

橋名

 

陶板の銘標が付いてはいるが昭和38年の竣功であり、さほど古いわけではない。

この橋の魅力はそのデザインや年代ではなく、「廃物感」にある。南側親柱はしっかりしているものの

北側は傾き、繁茂する植物に覆われている。倒れかかっている親柱の銘標には欠損が見られる。

 

   

北側の傾いた親柱

 

 

  

路線名

 

  

高欄から川面を望む

 

 

 

  

竣功年

 

高欄や親柱の意匠はごく平凡で特徴のないものである。

高欄には鋼管が使われており真っ赤に錆びている。

 

 

  

西側から                                    東側から

 

 

 

橋側面

 

 

 

採石場

 

この付近には長谷堂の風穴といわれる岩穴があり、冷風が吹き出していたという。

地域の名所にもなっていた。しかし、採石が進み山が切り崩されていくと伝説さえあった

岩穴は保護されることもなく破壊され、砕石となった。文化財より商売優先である。

 

 

昭和50年当時の風穴

 

 

時折通過する車もある

 

親柱、高欄の劣化から見ても橋の強度は確実に落ちてきているだろう。

必要でもないこの橋がいつまで現役で使われるかはわからないが

都市部を外れていることにより使命の終わった橋が延命している例となっている。

 

 

隔間場橋 昭和38年竣功

 

 

 

 

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