その十 続現役の古橋

 

早田川橋(朝日村)

 

朝日村名川地内の国道112号早田川橋に並んで、旧道の早田川橋がある。現道より数m低いため、112号走行中には

      車中からはあまりよく見えない。交通の激しい112号の横で、ゆっくりとした時の流れを感じさせている。

 

     

旧道とはいえ 充分現役である                       丸みのある品のいい欄干

 

        

親柱の状態も悪くない

 

   

   

各親柱 銘標も全てそろっている

 

      

緑の中に優雅な佇まいを見せる

 

早田川橋と書いて「わさだかわはし」(銘表では「わさだかははし」)と読む。

大きな改修工事も受けておらず、目立った破損もない。昭和9年竣功の橋としては上々の状態である。

月山新道開通の際にルートから外されたことが幸いして架け替えも拡幅もされずに現在に至っている。

 

早田川橋  昭和9年竣功

 


旧尾浦橋(朝日村)

 

 

落合から荒沢ダム方面に向かって数km入ったところにある。欄干がガードレール化されてしまい、昔年の面影は薄いが、

       親柱は当時のものが残されており銘標もある。

 

    

草に埋もれかけた親柱                  昭和3年竣功

 

 

昭和62年に新橋が並行して架けられたため、撤去されてもおかしくは無いのだが

相変わらず現役の状態で残されている。新橋とは若干距離があるため、これはこれで

利用価値があるのかもしれない。

 

   

旧尾浦橋 荒沢側

 

落合側の親柱2本は既に撤去され、現存しない。高欄の更新時に撤去されたものと思われる。

 

          

橋名                                竣功年

 

この豪雪地で12月に竣功している。昭和の初め、人足として雇われた農閑期の農民が

白い息を吐きながら橋の仕上げに精を出したのだろう。仕事が終わったあと、日暮れの道を

カンジキを履いて帰っていったかもしれない。80年近く前のそんな風景が浮かぶような親柱である。

 

 

 

旧橋より新橋を望む

 

ただでさえそう多くはない交通量の大半を新橋に任せ、悠々自適の余生を送っている印象の旧橋である。

 

旧尾浦橋  昭和3年竣功

 

 

 


本郷橋(朝日村)

 

朝日村 本郷地内の赤川に架かる中規模の橋であるが、欄干や親柱の状態はあまり良いとはいえない。

橋名の記された親柱は現存しているが、竣功年が記されているはずの親柱は川に落下したと見え、

根こそぎ無くなっている。他の部分も老朽化が目立ち、早晩改修されるものと思われる。

 

    

         味わいのある親柱も  ぐらつきそうである              橋幅は広いが交通量は少ない

 

欄干側面

 

本郷橋  橋長85m  幅12m  昭和4年竣功

 

 

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