17. 大泉橋(鶴岡市)

 

 

 鶴岡の中心街を流れる内川に端正な石造りの橋が架かっている。この辺一帯の橋は、最近次々に改修され、

それぞれ特徴のあるデザインとなっているが、時代を感じさせるこの橋に貫禄の上では叶わない。

山王町方面から本町側に入ると道は二股に分かれているが、惜しいことに本町側の親柱と欄干のかなりの部分が

撤去され安易な鉄柵に変えられてしまっている。二股側の道にスムーズに自動車を流すための変更であろうか。

 

  

内川に姿を映す大泉橋

 

参考:大正期の古写真より

先代は二連のアーチ橋でめがね橋と呼ばれた。明治21年に建造されたが大正期に入ると

交通量が増大し、拡幅が望まれた。その上橋脚に流木等が引っかかり氾濫の元になったため

昭和になって、河川内に橋脚をおろさない形に掛け替えられた。

 

 

優雅なアーチを描く

 

 

    

山王町側は重厚な石積み風                      山王側から本町方面を望む

 

内川には橋脚を下ろさないアーチ型コンクリート橋となっている。

 

    

重厚な脚部                  欄干改修部分の切断面

 

       

東側二柱のみが残る(河川名.ひらがな橋名)

 

人の身の丈を越える親柱上部の欠けの部分には竣工当初、スリット状の装飾が施されていたらしい。

現在その部品は失われ、雑草が生えている。銘標の周りにも補修跡らしきものが見られる。

 

 

 

参考:竣工当時の古写真

 

この建物は現存している

 

 

大泉橋   昭和六年竣工

 

本来のデザインが華麗であるだけに、鉄柵に置き換えられた部分(写真右)が

まるで肉を食いちぎられ骨を露出したように見え、痛々しい。 また、アーチの

部分もどうやら改装されているようで、弧が当初よりも緩くなっているようだ。 

 

 

 

 

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