38.綱取橋(西川町 綱取)

 

 

西川町を通る112号線の新綱取橋に並行して旧橋が残されている。旧橋に関する資料にさえ

ほとんど登場しない知られざる橋であるが、大変貴重なものであり、その延命が切に望まれる。

 

東方から西を望む

 

 

  

横を通る新綱取橋は国道112号

 

新綱取橋と共に綱取川を跨ぐ。

 

 

   

西側 親柱2柱

 

 

転落止めは失われたまま

 

 

東側 親柱2柱

 

      

ゴミ置き小屋が隣接する

 

 

   

コンクリートアーチ橋

 

山形県で最古のコンクリートアーチ橋である。アーチと橋の路面の間が素通しになる開腹式は

他にも見られるが、アーチと路面の間にコンクリートが充填されている充腹式は昭和の橋では

ここと鶴岡の大泉橋くらいで、大変珍しい例である。しかしこれだけの橋がほとんど資料や観光

案内にも登場せず、特に保存・維持の方策も採られていないのは意外である。

 

なお、同名の小国町綱取橋(明治時代)も一切の文化財指定を受けていない。

 

 

橋上の様子

 

 

 

    

傷みの進む親柱

 

豪雪地帯であるがために親柱をはじめとした各部の傷みは激しく、取り壊しの畏れを

感じさせる。隣接する大江町では同じアーチ橋である最上橋を保存し、町のシンボルと

しているが、それ程ではないにせよ西川町には貴重な遺産を失わない努力は見せて欲しいものである。

 

 

    

名標の他 シンボルマーク状のものが填め込まれていた跡がある

 

 

    

完成当時はかなり立派なものであっただろう

 

残念なことに全て失われているが親柱には4面全てに何かが填め込まれていた

形跡がある。ある程度厚みのある円形のものであったようだ。施工は升川建設とのこと。

 

 

高欄

 

 

    

貴重な風景

 

昭和45年までは国道として六十里越街道の一端を担っていた。

町道となった現在は交通もほとんど無いが、その方がこの橋には合っている。

 

 

 

綱取橋  昭和5年竣功  橋長24m 幅員5m

 

 

 

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